残暑お見舞い&「グランパと僕らの宝探し~ドゥリンビルの仲間たち~」

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残暑お見舞い申し上げます

記録的な猛暑、そして全国で台風による影響が続いていますが、
いかがお過ごしでしょうか。

私は、今年に入り、公私ともに目まぐるしい日々を過ごしてきましたが、
サロン開業して17年、8月10日から19日までのお盆の期間に
初めて夏季休暇をいただき、家族と共にゆっくりとした時間を
過ごしています。

この春、久しく読書をしていなかった私が、とても共感でき、
心を揺さぶられた本と出会いました。

そして、このお休みにまたじっくりと読み返し、

「何度読んでも新鮮で、新たな発見や感動がある本だ」
と改めて思いましたので、
ブログでもシェアさせていただこうと思います。

大矢純子さん著「グランパと僕らの宝探し~ドゥリンビルの仲間たち~」

そして、その後に書かれた「ハロー、マイフレンズ」の二冊。

数年前に一時帰国された際、クラニオを受けにいらしてくださったのが
ご縁で、数年の時を経て今年再び来訪してくださった著者の純子さんから
頂きました。

「グランパと僕らの宝探し~ドゥリンビルの仲間たち~」は、
第8回「朝日学生新聞社児童文学賞」を受賞し、
朝日学生新聞に連載され、
その後単行本となりました。

オーストラリアで長年日本語教師をされている純子さんご自身の体験を元に
『試練との向き合い方』『自分探し』『異国で生きるとは』等々
壮大なテーマを
小学生時代をオーストラリアで過ごした主人公ジュンヤが友だちや
そのおじいさん(グランパ)との「宝探し」を通して、
自分に降りかかる問題に
立ち向かい成長していく様子が、
生き生きと描かれています。

ストーリーの展開を、まるで自分が本の中に入っているかのように
リアルな
感覚で楽しめ
(登場人物はもちろん、舞台となる場所やそこでの生活がとても
リアルに描かれているのです!)
一つ一つの出来事や登場人物の思いに
思わず喜んだり涙したりと

細部に至るまで五感をフルに生かし繊細に描かれた文章を
食い入るように読みました。

「文章を読んでいる」という感覚よりも
「目の前のスクリーンでストーリが展開され、

そこに私もいる」ような感覚でした。

少し時間をおいて読みかえすと、
同じ箇所でもまるで初めてかのように新鮮な気持ちになり、
読んで思わずジーンとしたり涙したり。

そうかと思えば、あるところでは最初は気づかなかった箇所で
新たなことに気づいたり。


一連の出来事を通じて、主人公のジュンヤが
グランパのサポートを得ながら驚くほど

率直に自分自身と向き合い、気づき、成長していく様子は、
大人になった私達がそれぞれ今まで生きてきた中で
経験してきたことと
重なり合って、
自分自身の過去の体験がこの本に描かれている
と感じる
のではないかと思います。

著者の純子さんは、
「一人でも多くの子供たちにこの本を読んで欲しい」と

仰っていましたが、私も同感です。

これから新しい世界でいろいろな仲間や自分自身と出会い、
成長していく子供たちに(少し難しいかもしれませんが)
出来ればご両親や周囲の大人と一緒に読んでもらって、
勇気や希望を感じてもらいたいと思いました。

私たちが生きている『今』という時代は、多くの情報に振り回されて
自分を見失いがちです。

また新型コロナウィルスによる感染症は、
私達が生きていく上で最も大事な
人と人とのコミュニケーションや絆
というものを改めて考えさせられる
機会にもなったようにも思います。

純子さんの作品は、異文化でのコミュニケーションをテーマに
私たちが『今』を生きる【鍵】に気づかせてくれます。

鍵を手に、ご自分の手で扉を開けたいと思われる方は、
是非この本を
読んでみてください!